春うらら 大阪 昼公演
memo.
CCR UNPLUGGED SPRING TOUR
「春うらら」
2023.04.08(土) @cafe Room
春うららってタイトルによく似合う、足取り軽くうきうきしちゃう曲、ハンカチ。はすみさんが奏でるピアノの旋律が煌びやかに曲を輝かせて、愛子さんの重ねるコーラスが曲に厚みを加える。1曲目からもう、このスペシャル編成の魅力が存分に伝わって心躍る、素敵な幕開け。
続けて、バース。ハンカチに続いて、「春らしい曲」として選曲された2曲。素敵な音楽を聴いて全身満たされてうきうきと弾む気持ちは、春の陽気に心が躍るのと似てると思う。
「ふたりの関西弁が強い」ってメロディーキッチンのふたりのこと紹介した粟子さん。タクシーのイントネーションが奈良出身の彼とは違う強めの関西弁らしい。強いイントネーションを再現しようとして意図せず顔動かしちゃう粟子さんに「そんなに顔動かしてない」って軽くツッコミ入れながら「最初は(強くないイントネーションで)言ってたんやけどな。いつの間にか」って弁解する愛子さんでした。
テンメイさんが「ちょっと、ここ空いてるの気になるんで座っていいですか」って徐ろに自分の目の前の空席にギター抱えたまま座ったの、2.5次元の舞台でよく見る客降りだった。これが劇場だったら、黄色い悲鳴が上がったに違いない。時間差でふわりと香った香水に眩暈がした。まさか…この香りは…テンメイさんから香ってるのか…まさか…って、それ程までに近い距離に居ることを客観的事実として突きつけられてそわっと落ち着かなくなっちゃったのは仕方ないと思う。
客席からMC中の粟子さんを見つめるテンメイさんのことを「めっちゃファンやん」「見つめる目が恋してるやん」「高い位置の拍手、めっちゃファンの拍手」って大野さんが茶々入れしてた。このときはじめて、テンメイさんの横顔もとても綺麗なことに気づいてしまって不意打ちのときめきでした。ココロオークションは揃いも揃って横顔が美しい。
ココロオークションとメロディキッチンの出逢いのお話。「はじめて会ったのは南堀江knaveだった。震災があってライブができないときで、『こんなときに電気を使うなんて!』って」って粟子さんが語った。その頃から大事に歌い続けている曲、蝉時雨は、みんなご存知ココロオークションの代表曲。アコースティックアルバムのリリースに先駆けて、メロディキッチンのふたりを迎えたスペシャル編成で配信リリースされた曲。「配信聴いてくれましたか」ってフロアの反応を確認しながら、そんな大切な曲を、時を経て新たに一緒に奏でていることが「運命みたい」って話す粟子さん。その後ろで井川さんが頷いていて、とても好きだなあと思う。
この辺のお話、どういう流れで曲に入ったとか前後の繋がりが曖昧過ぎて、私はいま険しい顔をして書き起こしています。でも、この曲のことを「自分で書いておいて不思議なんやけど、普段曲作るときってどんな風にしようとかいろいろ考えるんやけど、…嫌な言い方すると、どうしたら売れるかなとか考えちゃうんやけど、この曲に関してはそういう打算が一切ない。するするってできた曲」って話してたのは確か。「一切ない!」って言い切ってたの胸にきたなあ。井川さんがちょっと驚いたように目を開いてテンメイさんと視線合わせてた。メンバーもはじめて聞く制作秘話なのかもしれないね。
井川さんのコーラスで、すごく綺麗に決まってて好き!ってなったとこあった。歌いながらチラッてフロアに視線を送ってドヤってしてるように見えた。カッコよかった。蝉時雨かもしれないしそうじゃなかったかもしれない。
あとは、曲はじめるとき、すうって勢いよく息を吸って場を整える瞬間すごく好き。静寂のなかに井川さんの吸気が響いて間髪入れずカホンのカウントで曲がはじまる、その切り替えの瞬間すごく好きだなって思った。全身で音楽を奏でている感じ。
「昔の曲を。はじめて出したTICKETってアルバムから」ってはじまった、ステージ。愛のまま、はアコースティック編成が沁みる素朴にありのままで良曲。あと、ドライブ。この辺りの選曲は、優しく沁みる曲調がアコースティックに馴染んで大好き。でも、曲順は曖昧。連続じゃなかった気がするんだけど、でも他は合ってる自信あるから余計に不明。蝉時雨から不確かな曲順。
メンバー紹介、どのタイミングでやったか覚えてないけど、はすみさん、愛子さん、テンメイさん、井川さん、大野さんの順で、粟子さんが順に紹介していく。
粟子さんとはすみさんは、12月のお寺でのライブで共演してるってお話。
粟「はすみちゃんとは、実家の、あ、言っていいんかな?」
は「大丈夫」
粟「はすみちゃんの実家お寺なんですよね。そこでライブしたときに共演してて、もう、家族みんな、こんな感じで似てて。弟さんと妹さんおったんやっけ。お寿司ご馳走になりました!」
キラって嬉しそうに「ご馳走になりました!」ってしてるの可愛かった。お寿司美味しいよね。
粟「M-1の日やってんな。家族みんなで観てて、『あああ、さや香、くそ…』みたいな」
大「さや香2本目すべってたもんな。弱かったよな。何であれ選んだんや」
粟「そんなことないと思うで。ウエストランドが面白かったんやんな」
大野さんがさや香に厳しい。いくら大野さんと言えど、そんな言い方しなくても!ってなっちゃった。個人的にはそんな弱いネタじゃなかったと思います!!!!!さや香も面白かったです!!!!ってなりました。
大野さんが、3回戦から全ネタ見てるお笑い好きだということはとてもいい情報でした。こんな時間差でM-1の話題聴けると思ってなかったから、ちょっと浮き足立っちゃった。
粟「誰が面白かったん?」
大「ななまがり」
粟「みんなピンときてないけど…金属バットとかは?」
大「あー嫌い!」
被せ気味で応える大野さん。そんなはっきり言わなくても…って、私の精神がじわっと削られた。争いが起こるかもしれない。ななまがりも面白いけど…金属バット…面白いよ。
粟「俺、去年からヨネダ2000推してるんやけど、ミーハーかな」って心配する粟子さん。大野さんの返答を待つ間、ちょっと緊張が走った。「面白すぎるよな」って大野さんの返答聞いて個人的に胸を撫で下ろしました。余分な争いが起こらないで済みそうです。
粟「話が逸れたんやけど、はすみちゃんとは家族ぐるみのお付き合いさせてもらってます。あ、変な表現?」
粟「愛ちゃん!」
大「ふっち」
粟「何て呼ばれることが多いん?」
愛「愛ちゃん。ふっちは母親が呼ばれてんねん。だからあんま好ましくない」
テ「僕に黙って餃子に行ったひと、怒らないんで正直に手を挙げてください」
粟「はい。俺はもう言ったもんな」
テ「他にもおるはずです」
大「俺、絶対テンメイ誘うもん」
すごい真面目なトーンで自分は関係ないというスタンスの大野さんでしたが、テンメイさんには「いちばん胡散臭い」ってもっともな事言われちゃう。
粟「ここ4人(粟子さん大野さん愛子さんはすみさん)で行ったんですよね」
井「そうなん!?」
愛「え、ご飯行こうかーって話したで?」
粟「『帰ります』って感じやってんな」
大「ここふたり(井川さんテンメイさん)あんまり行かないんですよね」
テ「ライブ前に、グルーブ高まってていいなと思うんですけど、僕だけこのcafe Roomには何度か出演させてもらってるんで、こっちの絆を見せます」
大「そっちとなんや」
テ「いつもの!」
テンメイさんが指をパチンと鳴らした瞬間、スタックさんが運んでくれたピンクのドリンク。なんちゃらストロベリースカッシュ。テンメイさんも名前をちゃんと覚えてなかった、美味しそうなドリンク。
井川さんは、ようやく恒例のさっちゃんコール&レスポンスのお披露目。「さっちゃんって言いたそうな顔してる」「絶対さっちゃんって言うタイミングわかると思うんで」って歌い出した童謡のさっちゃん。但し、盛大にアレンジされていてポエトリーのため「MOROHAみたい」って言われてた。じわーとシュールすぎる空気に、大野さんが「ちょっと耐えられへんくなってきた」って自分の太腿摩りながら笑ってた。フロアのふわあっとした「さっちゃん」レスポンスで締められた井川さんの時間。
今回、初となるさっちゃんデザインの新グッズのステッカー、ひとり5枚くらい買って好評なら今後もさっちゃんデザイングッズが出るかも!っていう内容でした。
粟「普段言わへんけど、俺が緊張してるときもいつでもこんな感じなんで、頼りになるんよね。安心!たぶん武道館出てもこんな感じ」
井「武道館でやりたいな」
大「ええな」
粟「耐えられへん言ってたやん」
大野さんは、「特に話すことないんですけど」って前置きしながら、Lover's Tourのとき財布無くした少年にお金貸した話の後日談を語った。
大「Lover's Tourで広島行ったんですよ。福山県」
粟「福山県?」
大「福山市。そんで福山県、行って、財布落としたって男のひとに、2万円貸したんすよ」
粟「あれ?みんな知ってる?」
テ「帰りのインスタライブで(言ってた)」
大「歩いて帰ります!って言っててんけど、無理やん。Googleマップで調べても十何時間とかかかるし、真冬やし。終電も終わってるから宿代もいるやん。LINEだけ教えてもらっててんけど音沙汰なくて、普通すぐ連絡するやん?あのときはありがとうございました!って、1回どうなりました?って連絡してんねんけど返事なくて、これは騙されたかーって思ってたんやけど、月曜振り込みます!って連絡きました!」
ちゃんと振り込んでもらえただろうか。利子付いて3万くらいになって返ってくることを期待してる大野さん、もし富豪の息子で親御さんが土地くれるって言ってもいらない大野さん、土地がいちばんいらんらしい。
粟子さんの紹介は、さらっと自然に選手交代してて大野さん。「みんな結構話してくれたから、俺は、想いは全部曲に込めて、ってカッコいいやつに!します!」
ライブで聴くたびに好きが深まっていく推し曲、ワールド。アコースティックでも聴きたかったワールド、からの、続いても聴きたかった曲、景色の花束。景色の花束、すごく素敵だったなあ。音の広がりや厚みが、全身で音楽を感じられる幸せを与えてくれる。
しっとりと沁みる優しい曲から、願い事、火花、の熱くカッコいい曲へのギャップ。2曲ともE♭の曲で、って説明する粟子さんに「イーフラな」って相槌を打つ大野さん。そうやって略すんだ、へー。「E♭使うとカッコいい曲作りたくなるんかな」って粟子さんに、「同じ気持ちです」って頷いてる大野さん。個人的には、願い事が火花と同じカッコいい曲分類なの、意外。
「雨男の歌です」って紹介された、雨音。今日も安定に、雨。粟子さんと愛子さんのアカペラのハモリではじまった曲、終盤の曲、たぶん雨音。粟子さんがちょっと音を外してて、気まずそうにボリューム下げて合わせていったの、ふふふって感じ。私には絶対音感はないから実際はどっちが合ってるのかわからないけど、愛子さんの歌声の強さと音楽強者の貫禄を感じた瞬間でした。
「若草山での音楽フェスのときやったっけ。晴れ予報やったのに、蝉時雨のときに雨が降り出して」って語り継がれるココロオークションの雨男伝説。フェスのスタッフさんのえ?って驚きと呆れの混ざった、いっそ引き気味の顔を再現する大野さん。「晴れ予報だから、急な雨に機材壊れないようにビニールかけたり対応にバタバタしてて、曲終わってしゃーん、ありがとうございましたーって瞬間に、さーーって雨が引いていって」って話す粟子さんの傍で、再びの大野さんの驚き顔の顔芸。その表情が何とも言えず面白いので好きです。そして、若草山で開催されるフェスがあったという事実に心が浮つきました。
「吃驚することにあと1曲です。えーー」ってフロアに惜しむ声を要求する粟子さんに、本心から応える声があがる。演奏しているこの空間が心地よくて「気持ちいいです。ありがとう」ってこの空間の幸せを言葉にして何度も伝えてくれることと、聴いているお客さんが「身体揺らして楽しんでくれていることが伝わってる」って届いていることは、相互関係だと思う。素敵な音楽で満たされる幸福以上の幸せが、この空間にはある。
「改めて、愛されてんなって。俺の1を100に受け取ってくれるみんながいて、幸せやなって。幸せだなって思いながら過ごせるのって、幸せやと思う」そんな、言葉以上に溢れ出る柔らかで温かい気持ちが音になって流れ出すように、僕らは愛の中。
すかさずはじまるフロアの手拍子、求めるアンコール。最初に井川さんが戻ってきて、「まだ拍手してて」って。そんななかまずはココロオークションのメンバーが出揃った。
アコースティックアルバムのリリースについてのお話。今回は、先行配信された蝉時雨以外には、CDにも配信にもならないらしい。特殊な形でのリリースは説明がちょっと難しいらしく、粟子さんから説明を引き継いだ大野さんが話す。
「配信もCDも考えたけど、いま昔みたいに、こういう形もいいかな」って説明に、ちょっとだけいろんな事情を考えてしまうけど、「音源データだけが存在する状態」 って表現が大切な秘密を私たちだけで共有しているみたいで、心を擽った。なんか、素敵だな。そのデータは、QRコードをダウンロードする形での販売。しかも、収録曲は内緒なんだって。データのタイトルには数字が振られているだけで、再生ボタンを押してはじめてどの曲かを知るちょっとしたサプライズ。「きっとココロオークションを好きでこのアルバムを手に取ってくれるだろうから、聴いてから、この曲か!って分かってくれる」ってそんなところも、好きだなって思う。ココロオークションのこうやって上手に付加価値を付けてくれるところ、大好きだなって、いつも思ってる。
説明が一段落ついて、登場したメロディキッチンのふたり。はすみさんが「外、晴れとったで」って報告してくれて、「やっぱ蝉時雨終わったら晴れるんかな」って粟子さん。
最後の曲に、ミルクティー。「幸せ!楽しい!から、もう1回!」って粟子さんが宣言した。くり返すミルクティー、続く幸せ空間。想像してなかった延長戦に楽しくなっちゃって思わず手拍子をした。続く再三のミルクティー。発生するフロアの手拍子がアコースティックの音色と溶け合って、椅子の上に乗り出して演奏するテンメイさんもノリノリで、幸せいっぱい。
01.ハンカチ
08.景色の花束
02.バース
03:ステージ
04:愛のまま
05:蝉時雨
06:ドライブ
07.ワールド
-MC-
09.願い事
10.火花
11.雨音
12.僕らは愛の中
en.ミルクティー