アコネコ1歳(テンメイ3O歳)のお誕生日演奏会 大阪編
memo.
アコネコ1歳(テンメイ3O歳)のお誕生日演奏会
〜 aconeco 1st Anniversary tour 〜
2023.02.04(土) @cafe ROOM
インストのライブ自体がはじめてだったからどんな雰囲気なのかちょっとだけ緊張してたけど、音が鳴った瞬間、ワクワクしっぱなしで楽しいドキドキでいっぱいになった。ライブカフェの座りでゆったり音楽に浸れる空間も居心地がよくて好き。
イベントタイトル見たときから、テンメイさん何歳になったんだろうって気になっていたけど、33歳みたいです。ご本人が発表してました。年齢非公開ってわけじゃなかった。改めて、お誕生日おめでとうございます。
implicationが一際好きだなって思った。交互に主旋律を奏でるアコギとアコーディオン。弾き倒すカッコいい曲だけど、互いに挑むような掻き鳴らし合いとは趣が違った。双方に絡み合いながら滑らかに、ひとつの大きなうねりを作っていくように互いのフレーズに繋いでいく。踊るような素敵な曲。
休憩タイムとして届けられたのは、テンメイさんの脳内で完成してるという小説に添えたBGM、新曲も含めた全5話。登場人物の名前ひとりも思い出せないけど、アラブの王族(ただし本人はそのことを知らない)である主人公が登場する物語の序章。かつて主人公と覇権争いをした一族の双子が親友として登場する2話では、天才兄と陽気な弟で、兄だけがかつて覇権争いをしたことを知っている複雑な人間模様が描かれるらしい。闇の魔法から防衛してくれる先生に恋する少女が登場する3話。4話は新作で、メキシコから転校生(魔法が全く使えなくてマントの下は筋骨隆々)が登場。突然のテンメイワールドに、頭のなかにハテナをたくさん浮かべました。そのくせ、音楽が奏でられはじめたら、語られた物語の情景が見えてくるようで、序章の物語のはじまる雰囲気や、覇権争いの複雑な人間模様の少し不穏な感じ、恋心の軽やかな音色に、如何にもメキシカンなメロディ。楽しくて、いつの間にか頬が緩んだ。素敵な休息時間でした。
トレーラーのときから、白夜きっと好みだなあって思ってたけど、やっぱりカッコよかった。桐山さんが「平成のいいとこ取り、みたいなアレンジになった」って解説されてました。CDでじっくり聴き返すの楽しみだなあ。
他にも、客席に起立を促して、桐山さんの真似してクラップして一緒に盛り上がって楽しむ曲もありました。たぶんその曲か、そうじゃないか、音源のクラップはとっても複雑で3パートくらいに分けて1時間くらい練習しないとできない曲があるらしい。なにそれ、たのしそう。
コロナ禍で「ステージに立っちゃいけない」「人を集めちゃいけない」って状況になって「ライブが全部とんだ」ってテンメイさんが言葉にした。2020年のあの虚ろな時期、春なんて永遠に訪れないんじゃないかと思ったあのときのことをまだ思い出のようには語れないけれど、そんな「立ち止まってた時間も大切」ってテンメイさんの言葉が涙腺にきた。そんな想いのこもった、夕凪が、しっとりじーんと沁みた。
「そんな時期に考えてはじめたことのひとつがaconecoで、普段は歌詞のある曲をバンドでやってるけど、音だけでも想いを伝えたり情景を描いたりできる、したいと思った」って感じのこと仰ってて、好きが溢れました。続けることも挑戦することも当たり前じゃないと知ってしまっているから、胸のすく思い。かけがえのない時間に、音楽と向き合って自分を見つめ直して出した答えが、続けること、であることは、こんなにも心を柔らかくほぐしてくれるのか。
「来てくれてありがとう」には「続けてくれてありがとう」って強く強く思うし、「みんなのおかげでライブできてる」には「あなたたちのおかげで、ライブに来られてる」ってその幸せを噛み締める。この幸福な出逢いにたどり着くまでの道のり、一歩目を踏み出してくれたのは、間違いなくあなたたち自身だと思う。