ウソツカナイツーマンライブ 東京編

memo.

ウソツキ

ウソツカナイツーマンライブ

ウソツキ VS 粟子(ココロオークション)編

w / 粟子真行

2023.02.24(金) @mona records

 

 


粟子さん


小田急線に乗ってやってきました。決してみんなを緊張させない、緩いミュージシャン、粟子です」って、竹田さんのモノマネをしながらウソツキの口上をもじった粟子さんの自己紹介。弾き語りのときって、「あわこです」ってひらがな表記したくなる柔らかさと緩さがあってより癒しだなあ。

 

1曲目、伸びやかで膨らみのある歌声が、特別に推してる曲を紡ぎはじめたときのときめきたるや。ワールド。弾き語りで改めて感じる、粟子さんの歌声の心地よさ。アウトロの「ヘイオー」って、上ハモも交えながら響く粟子さんのコーラス、これ好きだなあって思った。

 

「ご存知の方もいると思うんですけど、俺、雨男で、はじめてのワンマンも雨だったし、いろんなイベントで雨が降ります。だいぶ落ち着いたと思ってたけど今日もね、夕方から雨で…この雨男の所為でフェス呼ばれないんじゃないかって本気で心配してた時期もありました。折角だから、そんな雨に因んだ曲をやろうと思います。いつかのフェスでこの曲だけ雨が降るっていうこともありました。蝉時雨」

 

「実は今日メンバーも来てるんです」って、飛び入り参加のテンメイさんをステージに招いた。「なんかモナモナしたんで。知ってるひとがライブするっていうから来てみました」って言ったテンメイさんに「知ってるっていうか、メンバーやし」 ってツッコむ粟子さん。Twitterで呟いてた「モナモナします」ってそういう匂わせだったんだってなった、嬉しすぎるサプライズ。

「モナモナってなに?花粉?大変ですよね…昨日アンテナの家に泊まったんやけど、ふたりも花粉ヤバいって言ってた」粟子さんが花粉の被害に悩まされてないひとでよかったなって思いました。

「ちゃんと自己紹介させてください。どうも吉祥寺発、決して各駅停車には乗らない男、テンメイです」って、テンメイさんも、ウソツキの口上も声音も真似して自己紹介。「モノマネ30点」って粟子さんの相応の寸評。

 

雨の日は花粉症には優しいから、もう1曲、雨に因んで、雨音。サプライズにテンメイさんが現れたことだけでもわくわくしたのに、曲中さらっとウソツキの曲のフレーズ織り交ぜるの粋でカッコよくて更にときめきました。あ!ウソツキの曲!って思ったけどタイトルピンとこなくて自信ない。たぶんおそらく旗揚げ運動。そういうことしれっとやっちゃうの魅力的だなあ。まともにリハしてないとか、信じられない。音楽やってるひとってすごいなあ。

去り際にしれっとaconecoの宣伝して物販紹介挟み込むテンメイさん。粟子さんに冷ややかにツッコまれることなど意に返さない、ナイスガッツだと思います。

 

「自分にキャッチコピーをつけるとしたら、"弾き癒し"かなって。名古屋で対バンしたひとが"弾き叫び"やったんで、それから考えるとね。癒せるように頑張ります」って自分を表現する粟子さん。弾き叫びって聞いたことあるフレーズなんだけど、森きちさんのことかな。

 

「バンドのときにはやらない、弾き語りのときだけの曲を」って、ブルーベリーアイ。弾き語りだけの特別が胸を擽る。胸に押し込めた恋心が青く煌めいて、甘酸っぱく香る。

 

「一向にMC上手くならへんな。でもそれがいいんかな…これ自分で言ってたらやばいな。やめるわ」ってちょっと低めの声がカッコよかったなあ。上手に並べられた言葉に感銘を受けることももちろんあるけれど、それ以上に、真摯に丁寧に、自身の心の形を言語化するように紡がれる言葉が、何よりも心に届くから、そのままで十二分に魅力的。

 

「オタクって優しいやんか。…これは例えが悪かったけど、何かを本気で愛したことがあるひとは、いろんな好きに寛容だと思うんです」Lover's Tourでの溢れんばかりの愛を思い出して、幸せな気持ちになった、僕らは愛の中。

 

01.ワールド
02:ホタルのヒカリ
03.蝉時雨
04.雨音 with テンメイ
05.ブルーベリーアイ
06.火花
07.僕らは愛の中

 

 


ウソツキ


飛び入りテンメイさんを迎えていた粟子さんに対して、「粟子くんだけズルいよね、俺はひとりなのに」って言葉にした竹田さんにすかさず「やろか?やろか?」って声を飛ばせちゃうテンメイさん凄い。ちょっと期待しちゃった。

 

フロアの手拍子を味方につけての、一生分のラブレター。「粟子くんはふたりだったけど、こっちは全員だから!さっき手拍子してなかったもんね?ね?…そういう多数決みたいなのあんまりよくないか。サシでいこサシで」

 

「会議で、竹田くんはなんで音楽続けてるの?、って聞かれて、何でだろうって改めて見つめ直してみた」「藤井が立って演奏できなくなって辞めるってなって、一度吉田が抜けてるから藤井が辞めるなら、ってタクトは決めてて、こういう話、ちゃんとしたことないよね?俺普段からすっごいわがままだからさ、やだやだやだって言ったよ。その場では分かった、って言ってても実際は俺全然分かってないのね。こういうやり方はどう?こういうのはどう?っていろんなこと提案して、でもやっぱりそれでも難しくて、そうやってウソツキは一度は終わったのね。終わるはずだった」

「じゃあなんで続けてるか」自分の音楽をもっと形にして届けたい、好きな子がいてエアリプのように想いを伝えたい、考えつくどんな理由も、“ウソツキ”であるための理由にはならない。竹田さんが、ウソツキのまま、やりたかったことが何なのかってお話。「世の中には辛いことの方が多いけど、感染症とか地震とか、もっと、上司が怖いとか、そういう辛いことも、ここにいる間は、なかったことにできる。幸せだけのウソの空間を作りたくて、それをホントにしたくてウソツキをはじめた。それをまだやり切ってない。やり切ったからといって、続けないときっとそれは意味がない。カッコいいこと言ったけど、とにかく、ウソツキが俺の居場所なのね」どこか淡々と紡がれる想いに耳を傾けながら、泣きそうになった。瞳いっぱいに溜まった涙は、目を細めて笑った瞬間、瞳から溢れた。続けることに意味があると踏ん張っていてくれること、自分が心を傾けている大切な場所を同じように居場所だと求めてくれること、それがどれほど幸せなことなのか、知ってしまっている。

 

ステージに粟子さんを迎えてのセッションタイム。Twitterでそれぞれの曲を募集してたリクエスト企画。「まだテンメイ居ったで?セッション3人でやりたいって言ってた」って粟子さんの提案に、無言で来いよって手招きする竹田さん。ステージに現れるテンメイさん。事前リハとかしてないらしい。ステージ上で軽く合わせて、それが軽快に軽やかにアドリブで紡がれてフロアの手拍子も巻き込んで生まれる空間が、特別だった。「スタジオでやってるみたい」って粟子さんが添えてたけど、そういう裏側みたいなの、とっても心擽る。好き。

 

セッションの1曲目は、ハッピーエンドは来なくていい。聞きたいと思っていたウソツキのなかでもとびきりのお気に入りの曲。主旋律を奏でるテンメイさんとギター構えて彩を加える竹田さん。粟子さんの歌声で聴くお気に入りの曲、うきうきしたなあ。

 

セッション2曲目。竹田さんが構えていたギターを粟子さんに受け渡して、竹田さんのスローテンポの歌唱ではじまる、ハンカチ。竹田さんとかウソツキの雰囲気にきっとハンカチの恋心は似合うだろうな、って思ってたから嬉しい選曲だったけど、メロディあやふやで、竹田さんが歌うハンカチ楽しみにしてたからちょっともどかしかったです、もう。

2番からは粟子さんパート。「ここからエイトビート」ってテンメイさんに目配せしながら合図送る。ふたりのココロオークションでの、ハンカチ。フロアを煽る竹田さんがまあ楽しそうにしていたのでこれはこれでよしとしよう。これもうテンメイさんいなかったらどうなってたのかしらってちょっと心配になっちゃった。もしかして当日曲決めた?しかも即興?いや、リハしてたじゃん!もう!

「自分も末っ子気質だけど、竹田さんの末っ子気質もすごくて、リハ中もセッションの練習あんまりしてこない竹田さんをちょっと怒った」みたいなエピソードをゆるっと自分の出番で話してた粟子さん、割と真面目に怒子さんだったのかもしれない。

 

東京はテンメイさん居るから特別だね、って話をしながら、「大阪は井川さん来るかもよ」って言った竹田さん。粟子さんがちょっと困りながら「もううちのメンバー変なひとばっかりやから…俺ももちろん変なんやけど、それ以上に変やから、俺が普通に見えてしまう」ってやんわり否定してた。

 

アンコールの手拍子を受けて、再び現れてくれた竹田さんが、「全然、アンコールやる予定じゃなかったから、粟子くんがいま歌詞を検索しています」って説明した。携帯片手に登場した粟子さんが、「ウソツキ好きやから、歌詞あれば大丈夫」って言ってたの、ふふってなった。

 

竹田さんを相手にしてる粟子さんって、結構辛辣で、粟子さんの知らない一面見てる気がしてそわっとしてました。

粟「なんなん、ピースって」

竹「あ、これやると怒られるんだった。竹田くんはいい話したあといつもそれするけどやめたほうがいいよって言われたけど、それが俺だからね」

粟「ちょっとイラッとする」

竹「でも、指ハートしてたら嫌でしょ?」

粟「そしたらすぐ友達やめるわ。すぐ呟く」

竹「でもいつかやりたいね」

どこでどんな会話してたかは曖昧だけど、こういうようなやり取りは確かにあった。

 

急遽のアンコールに、ステージ上で打ち合わせするふたりの会話。

竹「どうする?歌割りとか…」

粟「さっきの感じでなんか適当に、目線頂戴」

竹「俺から歌うね」

粟「そしたら俺前半やることない…」

竹「あれ?そっかさっき1番歌ったか。え?先歌う?」

粟「もうどっちでもいい…こういうやりとりをリハでもずーっと。全然進まなくて」

竹田さんがギターを構え、アンコールの選曲は、新木場発、銀河鉄道。実際に、銀河鉄道という名の小田急線に乗って、代々木上原で乗り継ぎこそしなかったけど通過はして、辿り着いた下北沢で聴く、この曲は特別だった。間奏の汽笛とか汽車が走る音を一生懸命「ポッポー!」「ダカダカダカダカ」ってスキャットみたいにして歌声で再現してるふたりが非常に可愛かったので、とにかくご機嫌になった私です。

 

最後、指ハート振り撒く竹田さんの横で、あ!って悪事を見つけてしまった顔してスマホに文字打つ仕草しながら「友達辞めます」って宣言する粟子さん。結局ふたりで指ハートしてるの、かわちい、でした。粟子さんのきゅんです。

粟「おっさんふたりでなにしてんねやろな」

竹「でも心は若いから。なんかずっと、20歳迎えた時の気持ちのままでいるんよね」

粟「それはヤバいやろ」

 

01.君は宇宙
02.恋学者
03.x分の1
04:一生分のラブレター
05:0時2分
06:名もなき感情
07:好きのブラックホール


セッション
01.ハッピーエンドは来なくていい
02.ハンカチ

en.新木場発、銀河鉄道