MERRY ROCK PARADE 2020
memo.
MERRY ROCK PARADE 2020
DAY1
2020.12.19(土) @ポートメッセなごや
BURNOUT SYNDROMES / SHISHAMO / アルカラ /ヤバイTシャツ屋さん / マカロニえんぴつ / THE ORAL CIGARETTES / SUPER BEAVER
参加者を東海地区にのみ絞った開催。身分証明書との丁寧な照合の末の入場。例年とは異なりORB GARDENはなく、BLESSとMIRAGEの2ステージ。それぞれのフロアの床にはロープが張り巡らされ、2メートル四方に区切られた観覧位置が決められている。各アーティストを観るためには、入場チケットに加えて観覧位置を指定されたアーティストごとの観覧チケットが必須の事前予約制。観覧チケットがない場合も飲食スペースの巨大モニターでライブの様子を観ることはできるけれど、フェスの醍醐味でもある偶発的な出逢いはきっとほとんど起こり得ない。それでも、万が一このイベントで感染者が出たとしても、可能な限り接触経路を把握できるようにとなされた対応に、開催のための並々ならぬ意志を感じた。新型コロナウイルスの蔓延によって、ライブ環境は感染リスクの極めて高い場所だと認識された。ライブやフェスの開催断念や中止や延期の知らせが絶えないなか、こんな状況下でも、音楽を楽しむことは咎められることなんかじゃない、このフェスの開催は、そういう希望だと思う。
1.ヒカリアレ
2.若草山スターマイン
3.FLY HIGH!!
-サンタさんと直電-
4.PHOENIX
5.ナミタチヌ
流れるクリスマス讃美歌、もろびとこぞりてから繋ぐ、ヒカリアレ。熊谷さんが、かえしも越えて前に躍り出て膝ついてモニターカメラに向けてするギターソロタッピング、最&高だった。巨大モニターに映し出される熊谷さんのカッコいい姿、あーーーありがとうございますありがとうございます。
「時代と戦う君に 幸あれ」の歌詞変えが、ぎゅっと心臓を掴んだ。
「バーンアウトシンドロームズ今年初名古屋です」ってちょっと溜めながら言った熊谷さん、「今年はもう名古屋に来れないんじゃないかなあって思ってたけど」って続けた声がじーんと沁みた。特別にカッコよく響いた、優しく大好きな声。
熊谷さんがひと言でカッコよく決めたタイトルコールではじまる、FLY HIGH!!。
モニタに映る廣瀬拓哉がそりゃあもうイケメンでイケメンで、男の子でカッコよかった。目つき鋭め。メンバー紹介のときも「よろしくー!」って軽く、声は高くキュートなのに、なんか雄って感じがしました。
石「そして最後に、ベースコーラス、連絡係の私、石川大裕です」
熊「連絡係?」
オーディエンスが頭に浮かべたであろう疑問符を代弁するように熊ちゃん。
石「気になる?」
熊「多少は…」
焦らすように問いかける石川さんに、聞かな話進まんやろ?とでも言いたげに、渋々気になる意を唱える熊谷さん。
石「え、サンタさんの連絡先知らんの?ほないま連絡してみよう」
流れ出すクリスマスソングの着信音
?「もしもし」
サンタさんと思しき人物が掠れた声で電話に出た。おじいさん風に喋ってはいるけれど、確かに廣瀬さんの声がします。
石「あ、お疲れさまです。バーンアウトシンドロームズの石川です。サンタさんですか。いまですね。メリーロックの最中なんです」
サ「そうか。今年も無事開催できたのか」
石「みなさんがルールとマナーをばっちり守ってくれるおかげです。この先もしっかりやります」
サ「諦めず何度でも立ち上がるんじゃぞ。不死鳥のようにな!」
石「な?」
熊「サンタさん声かっすかすやったで」
石「疲れてるんちゃう。忙しいし」
「こんなときだからこそ聴いてほしい歌です。PHOENIX」石川さんの曲振りからの、不死鳥の歌、PHOENIX。
「たくさん運動する曲です。これでしっかり身体温めて今日一日めいっぱい楽しんでね」のような曲振りからの、ナミタチヌ。その瞬間の、よし跳びますか、というこちら側の心情。ナミタチヌのジャンプジャンプは石川大裕との耐久勝負だから、彼が縦横無尽に走り回って煽る限り跳ぶことをやめるわけにはいかない。楽しい。
多分だけど、途中ヘッドセット出なくなってた気がする。でもジェスチャーのみで一生懸命、ジャンプしろと煽るいしかわたいゆー。負けじと跳ぶ跳ぶわたしたち。たまに聞こえる復活ヘッドセットのジャンプジャンプの声。全部込み込みで愛おしいからすっごく笑顔になりました。
「夢を分かち合える〈名古屋のあなたが〉居ること」って、歌いながら語りで「名古屋のあなたが」って挟んでくれたの嬉しかった。そのとき間の音を埋めるためにUh〜って挟んでたのもとっても好きです。「名古屋のあなたが Uh〜居ること」みたいな。
地元名古屋の素敵イベントでの、大好きなBURNOUT SYNDROMESは、楽しすぎて一瞬だった。こんな状況のなか、名古屋に来てくれてありがとう。何回も何回も「名古屋」って言ってくれてありがとう。フェスじゃぜんっぜん足りない本音もあるけれど、でもとても楽しかった。今年も地元であなたたちに会えたことがとても嬉しい。
「声出せないの歯痒いね。マスクもしなきゃいけないし。立つ場所も決められてるんでしょ?で、ライブ終わったら換気で追い出されて、寒いのにねえ……可哀想に」
「慣れや怠慢ってのは忌み嫌うもので、そういうのとは無縁でいようと心がけてるんですが、どこかで音を鳴らせることを当たり前に思ってたんでしょうね。ぬるかったっすわ」
「ぬるかったっすわ」ってぼそって言った渋谷さんの言い方にちょっとぞっとした。どうしようも無い状況下でも自身を戒めるストイックさに怖いと凄い両方を感じて、身震いした。畏怖の念。
「これをいい機会に改められるようにしたいなと、まあいまはまだいい機会なんて到底思えないよ?だって最悪だもん。最悪だよ。顔半分見えないしさあ。マスクこんな、ここしか見えない。顔が見たいんだよなあ。声も聞きたいしね」
「俺たちも全然いいことなかったわ。せっかくメジャーデビューしたのにさあ。(ちょっと拗ねた感じ)16年目にメジャーデビューして1年目こんなのってないぜ!まあ、だからこそ忘れられない年になったんですけども」
「今年名古屋は2回目。いままで年間100本くらいしてたんですけど、今年は9本目」
「このステージひとつで最悪だった1年を最高に変えようなんて思ってません。ただこの日のおかげで2020年少しでもましだったなあと思えるように、と思っております」
「明日も知ってるバンド何組かいますが、知ったこっちゃねえ!俺たちがいちばんカッコいい」
予感の前のどこからともなく聞こえる手拍子の塊、あれはとても胸熱だった。