ハイキュー!! 頂のLIVE 2018

ANI-ROCK FES.2018

ハイキュー!! 頂のLIVE 2018

2018.05.12(土) @さいたまスーパーアリーナ

SPYAIR / tacica / Bird Bear Hare and Fish /

石崎ひゅーい / BURNOUT SYNDROMES /

NICO Touches the Walls

f:id:nonN0No:20200201220411j:image

こんなのあったらいいな、が実現した日。私にとっては音楽との出逢いのきっかけにもなる、アニメ『ハイキュー!!』。この作品がなかったらきっと、ライブハウスに足を運ぶことさえなかったかもしれない。それくらいに、大切な夢のような日。どの瞬間も目を離せない。

 

 

SPYAIR

 

ひと組目、ステージに現れた影に周囲からの僅かなざわめきを感じた。その意味を理解する前にはじまった歌は、イマジネーション。アニメ『ハイキュー!!』のはじまりの歌。誰だよ、SPYAIRは絶対にトリって言ってたのは。数分前、完全に決めてかかっていた私たち自身へセルフツッコミをカマしながらこの曲で頂のLIVEがはじまるなんて最高だ、って思った。ハマってしまえばこんなにも相応しいものはないと思ってしまう。

IKEさんの「みんな今日はいろんな想いを抱えて、いろんなものを好きで、今日ここにきたんでしょ?」ってお兄ちゃん然とした語りかけには、無言でうんうん頷いたし、そのあと「でも、みんな楽しみにしてきたんだよね?俺たちも同じ!」って続けられて見事に首は捥げ、ハートは撃ち抜かれた。

MOMIKENさんのベーススラップが美しすぎて大変でした。それ本当にスラップですか。角がなくてまろやか滑らか。視線が外せない。

アイム・ア・ビリーバーでIKEさん、MOMIKENさん、UZさんの3人が花道に揃った瞬間の興奮は、健全な言葉では表現できないと思ったので、黙ります。

 

1.イマジネーション
2.Last Moment
3.WENDY ~It's Yox~
4.ROCKIN'OUT
5.RAGE OF DUST
6.アイム・ア・ビリーバー

 

 

tacica

 

日「えーと、次はタキカ!」
山「違う!」
影「tacica、知ってる」
山「へー、どの曲知ってるの」
影「曲名は…わからない」
そう言ってお世辞にも上手とは言えない鼻唄で知ってる曲を歌いだす影山くんに、その真似をして曲を確認する日向。
影「違え!ふふんふふふん、だ!」
って喧嘩をはじめる変人コンビに対して山口くんが一言。
山「そもそも日向はtacicaを知らないんだから、曲聴いてもわからないんじゃない?」
日「たしかに」
太文字大きめフォントで出た字幕。
日「いまのは違う!ダジャレを言おうとしたわけじゃなくて!!」

まあ、それがバンド名の由来なんですよねって私たちは頷き合った。小西さんの口癖です。

 

1.HERO
2.発熱
3.HALO
4.LEO
5.アースコード

発熱。イントロが流れた瞬間に照明で真っ赤に染まるステージ。大きな歓声や煽る手拍子は疎らで、それがまた、演奏中のtacicaの無骨な職人気質を象徴している気がして心地よい。空気が張り詰めていて、どこかピリピリしている。相変わらず「ワンマンのつもりで来ました」って言う猪狩さんは最高だし、その緊張感からのものっそいゆるっとしてるMC。緩急が絶妙。とてもいい塩梅。大好き。

 

 

Bird Bear Hare and Fish

 

01.クライマー
02.青い栞
03.ページ
04.次の火

喘ぐように宙を泳いだ手が掴まなかったその刹那。

 

 

石崎ひゅーい

 

山口忠はひゅーいガチ勢でした。

1.星をつかまえて
2.ピーナッツバター
3.ピノアメリ
4.Ah Yeah!!(スキマスイッチ
5.夜間飛行

あくまでも低姿勢で話すMCに言葉遣い、それとは対照的などこか狂気を孕んだ曲中の荒んだ姿。その二面性、掴み所がなくて不思議な魅力。星をつかまえて、ただ一曲の印象では、もっと爽やかな感じだと思っていたけど、結構棘のある言葉を使う。ギャップ惚れってやつかな、と思います。

 

 

BURNOUT SYNDROMES

 

数學少女に寄せたクラップを喝采に、猪一番にステージへと駆け出して来て、颯爽と花道まで飛び出す石川大裕を想像していた。そこから一気にMAXまで盛り上げることを画策しての「飛べ!」って熊谷和海の歌声が響く、沸く会場。そんなステージを勝手に想像しながら、どうかこのチャンスを掴んで、と祈るような気持ちでBURNOUT SYNDROMESのステージを待ってた。

幕間、ステージの両サイドのスクリーンでは烏野1年男子たちが、お勉強は苦手な日向がバーンアウトシンドロームズって読めることに戸惑っていたり、山口くんが「バーンアウトはたまにヒカリアレの歌詞を変えて歌ってくれるんだよ」って教えてくれたりした。

照明のあたっていないステージに人影が現れたのは見えていたけれど、それが本人たちだとはなぜか連想できなかった。だから、たまアリのステージの上に立つBURNOUT SYNDROMESの姿を捉えるよりも前に、聞こえてきのは、歌声だった。「空は静かに白みはじめていた」アリーナの会場に響いていく熊谷さんの歌声。想像とは全く違った、静かな幕開け。ひとで埋まったさいたまスーパーアリーナ熊谷和海の声だけが響いている。この一瞬で、大丈夫だって思った。なにをあんなにも心配してたんだろう、って思わず苦笑いした。たぶん今日、観たかった姿、求めていたものが観れる。そういう確信。

「言葉を剣に」って熊谷さんの真似してしゃきーんってした。お隣では、石川さんの真似してふって屈んで避けていたようで、一応当たらないように軌道上向きにしゃきーんしてたけど、そんな必要はなかったみたい。なんかもう、幸せな後日談。

「本日のスターティングメンバーを紹介します。我らがエース!WS熊谷和海。僕たちの背中の護り、Li廣瀬拓哉!そして、音楽が好きなあなたたちのことは僕が守ります。ブロックします。MB石川大裕です!でも、これだけじゃあメンバーが足りませんよね。手拍子や歓声で僕たちを導く、あなたたちがSです。以上が本日のスタメン、控え選手はいません。あなたたちひとりひとり替えはありません!」

そしてギターのメロディはPIANOTUNEに変わり、「みなさんなら絶対に知ってる応援のリズムがあります!」って言葉に続けて「しーらとりざわ」ってコールする石川さん。たくさんの掲げた手が一斉に同じリズムを鳴らす。ガガンガンガガン!このときばかりは私たちが持つべきはペンライトではなくメガホンでしたね。

石「しーらとりざわ」
\ガガンガンガガン!/
石「バーーンアウト!」
\ガガンガンガガン!/
石「ハーーイキュー!」
\ガガンガンガガン!/

最小限の説明でこれが成り立つ空間がもう夢のよう。ハイキューのためのイベントだなあってしみじみ。この空間ならそれができることを知っていて託してくれる石川大裕も大好きだ。

おっきなステージの横幅めいっぱいに駆け回る石川さん。尊みがすぎた。喋り出しで息が上がってるのも、すぐに整えて続きを喋り出すのも愛おしい。まだFLY HIGH!!ヒカリアレも聴いてないけど、胸がいっぱいだった。

そして、数日経ったいまでも、あの会場にいたハイキューファンの心を鷲掴みにして離さないMC。
なかなかのどや顔で、花道を一歩一歩踏みしめて進む姿、鋭く真っ直ぐな視線、いい声で、自分たちの歩みを語る姿がきらきらしてた。ぎらぎらしてた。学校名や烏野のメンバーの名前を重ねていく度、会場の温度が上がっていった。あの日あの瞬間のために考え抜いてくれた言葉たち。あなたの言葉の端々から伝わってくるハイキュー!!って作品への感謝とか敬意とか、愛とか、全部が届いてた。

そのときのBGM、確実に聞き覚えのある曲が、熊谷さんと廣瀬さんの鳴らす音から生み出されていて、感動を通り越して唖然。花道に居る石川さんが熱く話しているのを横目に、ステージの真ん中も気になってしまってちらちら覗き込んでしまった。
アニメ作中で使用されているサントラ『悔しさ』。何十曲とあるサントラのなかからその曲を選んで、楽譜におこして、そして演奏してくれたんですか。この日、この場所のためだけに。なんの主張もせず、MCに添えるために。こんなにも作品やファンに尽くしてくれる、そんな彼らに惜しみない敬意と感謝を伝えたいのは私たちだって同じだ。彼らがハイキュー!!と出逢ってくれてたことが幸せだ。

きっともう誰もがわかってる。この次に続く2曲。FLY HIGH!!そして、ヒカリアレ。盛り上がらないわけがなかった。
3人がハケていったあと、周囲から聞こえる「バーンアウトすごい!」「楽しかったー!」って声。残ってる熱気。全くと言っていいほど立ち消える気配はなくて、もんもんと蒸し返してた。嗚呼、彼らはやったんだ!って思った。チャンスなんて目に見えないけど、この日のたまアリに居たんだよね。それを掴んだ。確実に。

あの場に立てたのがハイキュー!!のおかげであることは間違いないけど、それだけでは決してないのも分かりきっていて、そのことを彼ら自身がライブで証明してみせてたことがとてもとても誇らしい。もう何処へだって行ける。何処だろうと戦える、って確信しちゃうステージでした。

 

ヒカリアレの歌詞、変えたのは「天空を翔ける流れ星は今夜」ってところ。天空を「月夜」に。

日「月島ずりい!俺のほうがヒカリアレ好きなのに」
月「なんでそんなことわかるの。別に僕のために変えてくれたわけじゃないでしょ」
日「そうか。俺、ちょっとアーティストさんの楽屋に行って頼んでくる!今度は太陽に変えてください!って!日向の日、は、太陽だから!」
山「ちょっと!そもそも太陽が昇ってたら流れ星は流れないよ!」
月「ほっときなよ」

山「あ、戻ってきた。入れてもらえたの?」
日「おう!烏野高校排球部の日向翔陽です!って言ったら入れてくれた。すっげーいいひとたちだった。考えておきますねって言ってくれた!月島もこればよかったのに」
月「行くわけないでしょ、そんなの普通は不審者として追い出されるから」

日向なら顔パスで楽屋行けるんだろうなと思います。
今回の演出してる方に実際にライブに行ったことのある方がいたのかなあ、って思う演出。歌詞にまで絡めてくるとは思わなかった。

 

1.文學少女
2.花一匁
応援合戦 ガガンガンガガン
3.PIANOTUNE
ハイキュー‼︎を愛してくれてありがとう神MC
4.FLY HIGH!!
5.ヒカリアレ

 

 

NICO Touches the Walls

 

ツッキーはNICO Touches the Wallsを神と崇めるほどのガチ勢でした。正気を失うほどのガチ勢でした。ガチすぎて日向がマシ・マシ歌おうとするのを「汚れるから!」と首絞めてまで止めようとする。青くなる日向。必死で止める山口。荒ぶるツッキー。

 

セッションからはじまって、それは徐々に徐々に曲になっていく。その過程にあ!あ!ってなった。NICO、1曲目はマシ・マシ。ひと組前のバーンアウトヒカリアレで、そこからバトンを引き継ぐ意味でも、熱気で蒸し返した会場の空気を自分たちのものにする意味でも、とても粋なはじまりだと思った。

開口一番「NICO Touches the Wallsです!神でーーす!!」ってのびのびと叫ぶみっちゃんの愛おしさ満点。

「ここには、ハイキューがなければ俺たちとは出逢わなかったひとたちがたくさんいるから、本当に使ってもらってよかったなあって思います」まだMC続くのかなって空気のなか、「それじゃあ次は僕たちのライブで会いましょう!」ってぶった斬ってくるみっちゃんがカッコよすぎて綺麗に斬殺されました。

「いやー、まさか神って言われるなんて思ってなかったね。ちょうど髪もツッキーと同じだし」みっちゃんの口から出るツッキーって響きはどう考えても私得。

 

1.マシ・マシ
2.Funny Side Up!!
3.THE BUNGY
4.Diver
5.東京Dreamer
6.ニワカ雨ニモ負ケズ
7.天地ガエシ

予想していたよりもずっとはじめてのひとに優しいセトリでした。この日のNICOはちゃんと優しい。


全身に心地よい疲労感。たぶん相当疲れてる。余韻さえもすっ飛んで行って、終わってしまう寂しさなんてどこにもなくて、ただただ充足感。本当に夢のような日でした。望みが叶った日でした。好き×好きはちゃんと想像を超えて、最高の日でした。ハイキューもそして、音楽も、大好き。