Good Morning [New] WORLD TOUR 2024
in TOKYO & OSAKA
大阪公演
2024.10.19(土) @Yogibo META VALLEY
開演待ちの時間、流れる場内BGM、大半がムーディーな洋楽のなか、童謡のシャボン玉が流れている不思議。選曲誰なんだろう。メンバーが選んでるのかな。そしたら、プレイリストを教えてください。これはカワタイ倶楽部RADIO案件ですか。質問したら公開してくれますか。
そんなジャンルレスでお洒落なBGMのボリュームがぐっと大きくなった瞬間のフロアの騒めき、歓声。開演を待ち望んだ束の間の静寂に、流れ出すSE。どこか遠くから聞こえてくるような小鳥たちの囀りが、大らかで雄大な大自然に包まれるような心地にさせた。この時点では、おはよう世界へ続くための原初の地球や大自然!ってイメージで聴いていたけれど、終演後に配られた石川さんが書いたセトリ(注※手書きのフォントしか持ってないから全部英語で書いてある)、SEに、Paradise of birds、って書いてあって、あのSE、ORIGAMIの曲じゃん…ってなりました。鳥たちの楽園、あんなに清々しく楽園なんだなあ。新譜、楽しみ。
登場してきたメンバー見て、アメリカツアーの衣装だ!!!!ってなって、熊谷さんサングラスじゃない!クリアフレームの眼鏡!!!目線が見える!!どうしようどうしよう!!!って急に落ち着かなくなった気持ちは、ずばっと空気を震わせた「おはよう世界 Good Morning World!」の大好きな歌声を聞いた瞬間には、もうなんでもよくなった。見えるもの全部この目に焼き付けるぞ!瞬間的に拳を突き上げた、これはもう条件反射。
間奏ギターソロで、センターに躍り出た熊谷さんが覗かせる白い歯。にこにこのきらきらの笑顔がとても眩しい。最初上手向きで弾いてたのに背中側に寄ってきた石川さんの気配を感じて、すっと顔向けコンタクトを取る瞬間、私の感情が暴れ出します。尊い。
両拳で自分の胸とんとんって打つ「胸の鼓動だけは」が最近のニューアクションで、力強くて好き。
ブレイクを挟まずノンストップで繋いで次の曲。フレーズを弾いている間、何の曲だろうって考えるあのわくわくが大好きなんだ。Good Morning World!の2番がDr.STONEの海編を想定して書いていることを思うと、そこから夢の大海へ船出するBottle Ship Boysに繋がるのは、大航海大冒険のはじまりを告げていて、わくわくしちゃうなあ。爆ぜる水飛沫のSEに重なるライブハウスを埋めるクラップが、そのわくわくをより高めてくれていた。
そのまま流れるSEが次の曲を告げる。神聖なコーラスから、ヒカリアレ。ハイテンポなカッティングギターに呼応するように響くフロアのクラップは、その曲がどれくらい知られていて愛されてるかの証明みたい。その上で、もっともっと!って導くように掲げられたメンバーのクラップの煽りが、ライブハウスの熱気をさらに上げていく。
ギターソロ、華麗なタッピングの後、お立ち台からぴょんと飛び降りた美しい跳躍、皆さんご覧になりましたか?まさに「もっと眩く俺は飛べる」って体現しているような輝かしさに思わず叫びそうになった。いや、たぶん叫んでた。
2番でクラップを煽る熊谷さんの仕草が、だんだんと力強さを増していって、遂には平手と拳を硬く打ち付ける煽りに変わっていったのは、命が燃え盛っている美しさといつか尽きてしまうんじゃないかっていう儚さを同時に感じた。高エネルギーの感情が集積して爆発寸前みたいな雰囲気が、訳もわからず視界を滲ませた。懸命に生きているひとの輝きは、それだけ心に熱を灯すんだと思う。
それとは別に、その煽り方、掌痛そうだなあって呑気な考えも浮かんでた。手、大事にしてね。綺麗なセンター分けになっていた前髪が乱れておでこを隠していくのも、命が燃えている、って感じがして素敵でした。
そして、「ヒカリアレー」と響く歌声の余韻が消える間も無く、「ヒカリアレー」とくり返されるSE。転調しながらだんだんと高くなっていくそのフレーズが辿り着く先は、ヒカリナキセカイ。FLOW FESでの衝撃もまだ記憶に新しい、ヒカリアレから魔王への繋ぎ。光と闇は表裏一体で、そして地続きであるということを自分たちの楽曲でこんな風にドラマチックに表現してしまうBURNOUT SYNDROMESって最高だよね。堪んないよね。やってくれるよなあ、って感じ。カッコよすぎる。
この曲はじめ(だったと思うんだけど)、逆光のなか浮かび上がった廣瀬さんの立ち上がってドラムをかき鳴らしているシルエット。その存在感が妖しくも禍々しくて、それがあまりにもカッコよくて、え?もしかしてこれ実は廣瀬さんこそ真の魔王様?裏のボス的な存在ですか?って思いました。
BURNOUT SYNDROMESって三者三様にそれぞれにエンターテイナーだし、リズム隊ふたりとも熊谷さんの作る曲が大好きで仕方ないから、それぞれにその曲を輝かせるための最大限のパフォーマンスしてるんだなーって、そんなの当たり前じゃんって、無限に沼が深かったです。
1番サビ前の、雷槌のように轟く太鼓の低音に合わせての両手振り上げながら煽るダイナミックな仕草は、オーケストラを統括する指揮者のようでカッコいい。どこかで髪の毛わしゃってしてたのもとても刺さりました。
「腕の中で眠る 天使を見ていた」で差し出された両手はまるで、純真無垢な生命に触れるのが恐ろしいとでも言うような危うさがあって、胸がぎゅっとなりました。
東山さんの高速英詞ラップ詠唱のときのピアノの旋律に合わせた華麗なスピン、大好き。
ラスサビ前、差し込まれる不気味な低音の笑い声の同期音、その瞬間に微笑む熊谷和海。その微笑みを目撃して平静を保てる人間が果たして存在するのだろうか、否。人物の輪郭が暗闇に溶けて境界が曖昧になる、あの薄暗く怪しげな照明演出のなかで、明確に歯を見せ口角をあげる、それはまさに魔王様の微笑みそのもので、でも邪悪なだけでなく、どこか優しさの滲む母親の微笑みにも見えて、脳裏に焼き付いて離れない、魔性の魅力。
ここまでノンストップで曲を繋げてきて、特に直前は魔王で、散々カッコよくてビリビリくるBURNOUT SYNDROMESを浴び続けていたところに、MCに入るときの「バーンアウトシンドロームズでーす」の優しく真面目なお兄さんたちという雰囲気のギャップがまた、沼が深くて困る。
石川さんが、大阪はほとんど即完みたいなソールドアウトだったと告げて、2DAYSにすればよかったなって話していた。
石「ツーデイズにしたい理由があって、聞いて?熊谷くん俺の不幸話大好物やろ」
熊「腹抱えて笑う」
大阪公演だから、石川さんはチャリで来られるらしく、でもなんば停めるとこないから近くの電機屋に停めたけど、営業時間21時までだから、俺だけ明日も来ないといけない、らしいです。知らんよー、ちゃんと駐輪場探そ?ただし、2DAYSはいつでも大歓迎です!!
あと、「足元と気圧の悪いなかお越しくださり」みたいな言い方してた、熊谷さんは、いた。低気圧しんどいよねわかる。
熊「今年はたくさん働きましたよ」
石「熊谷くんは配られたカードで勝負する天才やん。コラボたくさんして、FLOWさんとかCHiCOさんとか、大富豪で言ったら2よ。2来たらどう思う?」
熊「やったあ2だあ。ワンチャンあるー。これは次大富豪あるぞって」
石「俺なら強すぎて怖くなって大富豪に渡しちゃう」
熊「優しいな」
この優しいな、の落ち着いた柔らかい声音に、優しいのはあなたでは?って勝手に舞い上がっていた私です。
石「どうなん、急に2配られたときの心情としては」
熊「2、まあコラボしてってことね。彼ら彼女らには2である理由があるんですよ。それぞれの最強のものを持ってて、それを貸してもらってるって感覚かなあ。それに対してもちろん私は私の最強のカードを出すし。そうやっていいもの作って、仲間を増やしていった感覚です」
石「俺はお前の5やと思ってるで」
そうやって言った石川さんに対しての返しが間髪入れずに「6!」なの、熊谷和海。そう言ったときのキラッとしたいたずらっ子みたいな表情と言い方がもーーかわいい。普段悟ったみたいな達観した静かな雰囲気のひとが、メンバー同士で戯れ合っていると急に幼くなるの、男の子って感じにぎゅっと心が温かくなる。愛おしい。
石「でも5とかスキップできるで」
熊「じゃあ5です。そんなん言うやつはもう5」
ここのMCは、FLOWさんとのコラボをきっかけに2024年までのバーンアウトが世界も回って、いろんなアーティストとコラボもして、そうやって力をつけてきたんだよーっていう成長を言葉でも語ってくれている感じがしたパートでした。そこからの、コラボ曲披露は、とても熱い。
石川さんはMVの真っ赤なザクみたいなベースを構え、熊谷さんの傍にはテーブルに乗せたラップトップとパッド型のシンセサイザー(?)が置かれた状態で「今日は世にも珍しい熊谷和海バージョンのKUNOICHIをお聴きください」って石川さんのアナウンスではじまった、KUNOICHI。
前回日本でこの曲を披露したときはASCAさんをゲストに迎えたバージョンだったわけで、シンガポール公演のときともまた違う機材なわけで、もういっそこの曲自体がこの日ライブ初披露と言っても過言じゃないと思う。公演ごと楽曲ごとにどうやったら納得できる仕上がりで披露できるか取捨選択をくり返しながら、新しいものだって積極的に取り入れて変幻自在で挑戦的な彼らのライブだから、いつだって目が離せないなって思うんです。
個人的には、熊谷さんの指先に視線が集中してしまった曲でした。欲を言うと、パッド押してる手がもう少し見えるといいなあって。いや、まあね、ステージとの高低差的に難しいのわかってるんだけど!!熊谷さんの綺麗な手が指先がパッドの上で踊るのなんて、絶対見たいじゃん?ねえお願い!って気持ちです。熊谷さんの手、芸術品だもの。
右手でパッドを操りながら歌って、時にはギターも奏でる熊谷さん。私には、一度観ただけでは処理しきれない情報量の多さで、観ているだけでもパンクしそうなのに、それを苦もなくさらっとやってのける佇まいが、すごいなあって。魔王では石川さんがベースとシンセの二刀流だったけど、それももうめちゃめちゃ忙しいじゃん本当にすごい!と思っていたのに、じゃあこれは三刀流ってことですか。余計に理解が追いつかない。BURNOUT SYNDROMESは本当に想定外になんでもやっちゃう、ジャンルレスなバンド。
コラボ繋ぎで、次の曲。FLOWさんと共作の、I Don't Wanna Die in the Paradise。最近とても身に染みているのは、石川さんの凄みの効いたラップがカッコよくて仕方ない、ということです。
重心重めでダンサブルなEDM調に、ノリよく心地よいラップの抑揚。そこに馴染みよく歪ませたディストーションギターの響き。もうすっかりこの曲も自分の魂に刻まれたビートになった心地がして、楽しく自然に身体がのっちゃう感覚が誇らしいんだ。
推しの間近でのギターソロ、って言う刺激に飢えていたこともあって、目の前にあった光景がカッコよすぎて、目眩がした。ギターソロがカッコいいなんてもちろんなんだけど、その後のお立ち台乗ったままじっくりギターでフロアを撃ち抜いていく姿もとても雄々しかったし、視線でもがっつりフロア射抜いてて最高だった。視線が見える幸せに合掌。ご馳走様です。
大興奮に上がりかける歓声が、このまま曲が続く気配を感じて次の曲を待つ期待の静寂に上書きされる。徐にお立ち台の上でしっかり足場を固めて曲のきっかけを待ち構えてる姿がカッコよくて堪らなかった。アタシインソムニア。
イントロのフレーズを響かせている熊谷さんを、ただ夢中で見上げて、その懸命に輝く姿を目に焼き付けてる瞬間が私の幸せだなあ。フロアとステージの隔たりと高低差っていうのは、こうやって無遠慮に心ゆくまで推しを眺めるために存在すると思う。ライブハウスってなんていい場所だろう。アタシインソムニアのダークな雰囲気も相まって、こうして見上げていると被征服感というか、カッコよさで心を掌握されている感じがして全面降伏状態になる。好き。
熊「最新曲と昔の曲聴いていただきました」
石「最初のアルバムから5枚目までね」
熊「5枚目?」
石「熊谷くん知らなかったらもうお手上げ」
熊「5枚目??」
前日に解禁された5thアルバムのこと、すっとぼけ続けるお茶目な熊谷さん。そんな戯れに対応する石川さんの声音はいつも優しい。愛。
会話の前後とかどの曲間のMCだったとか全然定かじゃないけれど、ファンに向かって「あ、まだ聴いてない?」って新アルバムもう聴いたマウントとってくる石川大裕大好き。だってあなたがいちばんのファンだもんね!!!!!大好き。それに対してさらっと「最初なんじゃない?」みたいに熊谷さんが合いの手入れてたのもとても好き。だって石川さんがいちばんのファンだもんね!!
石「勝手にアンケートとったのよ。どの曲が気になりますか?って。初恋カプチーノが多かったね。やっぱこの、漢字カタカナの組み合わせがええんかな。刹那レボリューションとか」
熊「瞬間センチメンタルとか、プライド革命とか?」
石「他はなんかないのカッコいいやつ。いま考えて」
熊「え?刹那レボリューションってないの?オリジナル?それはすごいわ」
石「これ革命してんの一瞬やしな(笑)」
熊「革命はゆっくり時間かけてやってほしい(笑)」
石「あとは、BABELも多かったね」
熊「ああ、そう。なんでやろ。捻りはないのに」
石「の塔が付いてないのがええんちゃう?」
熊「ああ(笑)」
ここでまさかの、未発売の新曲披露は想定してなかったなあ。「夢に敗れた男の歌です」と熊谷さんの言葉で紹介されてはじまった、BABEL。穏やかな曲調の打ち込みサウンドに感じる心地よさとは裏腹に、夢の喪失とそれを受容せざるを得ない状況を描いたような歌詞に息苦しさを感じた。諦めて歩みを止めたんじゃない、足場が崩れて落ちていく映像を想像して、途方もない喪失感を感じた。そこに響いた石川さんのコーラスがとても健やかで柔らかい光のようで、どうしてそんなに穏やかなんだ、って。いままさに世界に飛び出して階段を登り続け、果ての光を目指しているはずのあなたが、どうしてこの詩にこんなに穏やかな曲調を重ねられるのか、混乱する。喪失と絶望と共に救いや希望を歌っているようで胸をギュッと締め付ける曲。あれこれ考え尽くすのはリリースしてからじっくりやりたいけれど、初見の感想っていうのは大事だよね。
「自分の才能を信じて 仲間を頼れば 何か違っただろうか」ってそんなニュアンス(本当にニュアンス)の一節が何よりも色濃く私のなかに残っていて、嗚呼これはきっと、もしもの世界の話なのかなって、そう思わないと私自身を保てないから、いまはまだ、そう思っておくことにしました。
確かMCは挟まず、そのまま続いた、The WORLD is Mine。何度か見たことがあるバックモニターに映し出された映像が、この日は一際鮮やかで美しくて、惚れ惚れした。それに加えて、熊谷さんって色彩感覚でまでひとを惹きつけるんだなって感嘆してしまう。あんなに綺麗なのはもしかしたら、新しめの箱だからそういう設備が整ってたり優れているおかげなのかなって思いもしたけど、それにしてもあの柱と、ステージから完全に見切れる空間は憎らしいよね。
新しいアラルバムについて、ブラジル人ラッパーとのコラボもあるってことを説明していたのは一体全体いつのMCだったか。安定の曖昧記憶。熊谷さんは、「面白いことになってる」みたいな言い方してたなあ。それはきっと曲の仕上がりもだろうけど、コラボすることになった経緯とか、そもそも地球の裏側の国のひととコラボしてしまうという状況そのものが想定外で不思議なご縁なんだろうな。
熊「石川くんがナンパされて」
石「DMきたんですよね」
熊「Hey,bro! って」
石「Hey,bro! って。お前のラップ最高だぜ!ってきたから、お前も最高だぜ!って返して」
熊「聴いてへんやろ」
石「そしたら一緒に曲作ろうぜ!ってなって、俺はよく分からんけど熊谷が頑張るぜ!ってぽいって投げましたね」
熊「ブラジルで2日間ライブがあって、1日目がVIPたちにお披露目する日で、そこに彼がいて、ブラジルの有名なラッパーだったんですけど、彼もアニメにも関わっているってことで呼ばれてて、そのライブの後に連絡がきたんですよね」
石「完成したの聴いたけど、あれはハイクオリティやったね。熊谷くん国籍変えたんかな?と思ったもん。俺のなかの魂のビートにはない音楽鳴ってた」
石「2022年からやってるから、このツアーも2年目ですか?擦り倒してますよ。みんなが思ってたこといま代弁してもうた(笑)。タイトル変えたほうがいいか皆さんに訊いてみる?変えた方がいい派のひとー」
熊「変えたほうがいい派なんて要らんよ。変えたいなら代案も持ってきてほしい」
石「なんなんそれ。バイト休むなら代わり見つけてこいみたいな(笑)」
熊「実際これ以上が思いつかないんですよね。ワールドツアーだってことが分かりやすくて、自分たちの曲ともかかっていて」
石「公募してみる?熊谷くんのX、はいま送れないから」
熊「そうなん?」
石「石川のインスタにDMで送ってきてください。そしたら勝手に使うんで。許可とか取らない。この人に決まりました!とかも発表もしない(笑)。あ、私のだって思っててもらって」
結局フロアへのアンケートは行われたんだけど、たぶん唯一手を挙げた変えなくていい派のファンに「愛してます!」って伝えてた石川さんは、いた。いた?
熊「(どっちにも挙げない)中間のひとはなんなん?熊谷に気を遣ってくれてるひとたち?ありがとう」
石「ライブがあればなんでもいいんじゃない?なんでもいい派のひとー?」
石川さんが、私たちの心情をよくわかってることに嬉しくなって、ノリノリで両手挙げちゃった。そりゃあ素敵なタイトルは心を擽るしときめくけど、ライブしてくれるなら、こうして対面できる機会があるなら、本当になんでもいい。クリエイターに対して要望伝えずなんでもいいって言うの、きっといちばん困るんだろうなあってことは承知の上で、あなたたち自身が楽しみながら何かに取り組んでいるならなんでもいいんです、がち。
石「7カポやろ」
熊「違いますー。この、カポっていうのがあるんですけどね」
石「え!?リハのときは7やったで」
熊「今日は8ですー」
この石川さんの普段からちゃんと見てますよ違いにも気づいてますよ感、最高だなあと思いました。
アコースティックギターに持ち替えての、吾輩は猫である、前にこんなやりとりがあったようななかったような。曖昧記憶過ぎるので、ここだった!ってわかる親切な方はどうかコメントください。
どこにどのMCがあったのか、明確な曲振りみたいな繋がりがないと全然覚えられないんだけど、来年20周年を迎えるBURNOUT SYNDROMESっていうバンドは人間で言うところの160歳である、って石川さんが言っていた。Wikipediaに載っているある程度の活動期間があるバンドのデータから活動期間の平均を出すと(割とちゃんとしたデータらしい)大体11歳くらい。
石「酸いも甘いもいろいろもいろいろ経験してきましたね。…甘いあったかな」
熊「我々酸いしかなかった。いまもずっと泥水啜りながら続いてる」
石「もともと3ピースでやるつもりなんて全然なかったですからね。オーディションに合格する人材が見つからなかっただけで。いまは皆さんが4thメンバーだから、本当にありがとうございます」
「拳はそのまま!」って突入した、PHOENIX、から、Melodic Surfers、君をアンインストールできたなら、と普段はなかなか聴けない曲が続くときの大興奮。ライブの終わりを意識しはじめる終盤に、寂しさを感じさせる隙を与えない怒涛のキラーチューン連投。それも!これも!聴けて!いいんですか?!もう!それもこれも全部!大好き!!
にこにこで石川さんと向かい合って弾いてるギターソロや間奏も大好きだけど、PHOENIXみたいにマイク前でど真面目に弾きこなす姿も真剣な表情もカッコいいよなあ、って愛でておりました。
敵の鉄壁砕く華麗なスパイクモーションは、アクションのカッコよさにも心を掴まれ続けているけれど、加えて、ハイキュー!!への敬意と、自分たちの曲が世界中でバレーボールの曲として愛されていることへの誇りの表れのようで、愛おしくて仕方ない。
Melodic Surfersの「サビメロで拳あげろ」って歌詞変が大好きです。最近は「プレイリスト加速する」なんだよね。いや、前からだったかもしれないけど。
加速した熱量そのまま、君をアンインストールできたなら。たぶんこの曲なんだけど、廣瀬さんの激しいドラム捌きからのスパッとシンバルミュートの一連の鋭さがめちゃめちゃカッコよかった。
煽りを挟まず「飛べ」ではじまった、FLY HIGH!!。ライブハウスに足を運ぶっていうことが、日常にはなかった頃の私が、はじめてこの曲を聴いたときのときめきを思い出した。
シンガロングパート、途中から熊谷さんのガイドボーカルが入らないとき、完全に4thメンバーである私たちに任せきっている感じがして最高に誇らしい。公式の動画にもあげてくれていたけれど、ずっとちゃんと歌が聴こえる、最高だなあ。
楽しすぎていろんな曲聴けて満足すぎて忘れかけてた、そうだった!私!この曲聴きたかったんだった!って、Amaterasのイントロが鳴ったとき気づいたら拳握ってた。
楽器そんなに詳しいわけじゃないけど、本当にほぼ全く手元見ずに奏でてるアルペジオ、容易くやってるように見えちゃうから、ギター弾けるひとってみんなああなのかな、とか考えちゃう。たぶん、そんなわけない。
アンコール。バックスクリーンにででんと映っている熊谷さんのメイクマネーポーズの腕。きたあああ、邪教・拝金教。熊谷さんの読経が最高でした。役割になりきる熊谷さんの憑依性とその声と揺らぎ方の相性がとてもいい。直接脳に語りかけるような響き方していて、教祖として人々を洗脳してしまえそうな説得力が十二分。
逆光で怪しく浮かび上がるシルエット、一際存在感を放つ真っ黒い影が、「飢えて死ね」で自身の脳天を撃ち抜いた瞬間、私は崩れ落ちた。熊谷さんの仕草があまりにもキマっていて、狂っていて、自らの頭に突きつけた指の銃口とそれを撃ち抜いた瞬間に傾げた首の角度、タイミング、照明演出、そのどれもが完璧すぎて、これをこの距離感この位置で、正面から喰らってしまったらもうひとたまりもないです。
親指と人差し指で輪を作ったハンドサイン、左手は天高く掲げ、右手はお腹の前で構えたそのポーズは、どこか阿弥陀如来の来迎印のような尊さや神々しさも携えながら、その実その円が表すのは間違いなく"金"なんですよね。私たちを極楽浄土へと導いてくれるのは仏様でも神様でもない、この世の全てを支配するのは、金。
間奏になって、颯爽とハケていく熊谷さんとドラム前のスタンドからマイクを抜き取る石川さんが交差して、それと一緒のタイミングで徐に立ち上がり前に躍り出た廣瀬さん。えー熊谷さんどこ行っちゃうのー?え?あ、これ物販紹介だ!曲の途中で?!って全てを察した瞬間の笑いが止まらなくなる感じ、愉快。とても愉快。BURNOUT SYNDROMESってど真面目にこういうことしちゃうんです、好き。
センターに立った廣瀬さんの側で優秀な側近の如く片膝ついてマイクを構え、適切なタイミングでグッズを取り出して廣瀬さんのサポートに徹する石川さんも最高に愉快。
「あー、結構もう購入されている方いますねでもまだ」
「こちらポーチ中に幸福が入っております」
「これらグッズ全てをこちらのトートバッグに入れてお持ち帰りいただいて」
「全部ご購入いただける方は、手を(メイクマネーポーズで)挙げていただいて」
「ただいま曲はループしております。ここにいる皆さん全員が手を挙げるまで止まりません。もちろんライブハウスの扉も開きません。帰れませんからねえ」
喋り続ける廣瀬さん。それはもうひどく流暢に紡がれ続けるグッズ紹介と拒否権のない購入せよという圧。もはやバンドグッズが幸福になれる壺とか病気が治るただの水とかの扱い。怪しい新興宗教の集いとして、胡散臭さの解像度が大層高くて声出して笑っちゃった。その間ずっと札束の雨がバックスクリーンには降り注いでいて、異質な空間をより演出してた。
これ、このあと戻ってくる熊谷さんはどんな顔して歌うんだろう、笑わずにいけるのかなって急速に興味が湧いてきたけど、照明で全然見えなかった。前半散々賞賛した完璧な照明演出が、このときばかりは憎い。
袖から戻ってくる熊谷さんが石川さんの後ろを通り抜けようとしたとき、ぶつかりそうになって咄嗟に背中に手を添えて回避してたのなんか無性にきゅんでした。曲の雰囲気を壊すまい流れを決して止めるまいと颯爽と通り抜けていったの、好き。
熊「購買意欲の湧かないグッズ紹介でしたけど(笑)」
石「普段お客さんの声ってあんまり聞こえんけど、『タイミングーっ』って声がばちーーって耳に入ってきた(笑)」
熊「大阪やな。もうその反応はメンバーやん。メンバーに欲しい」
このとき一瞬、私の脳内では七海龍水が「欲しい!」って声をあげた。
熊「この曲書いたときは、海外まだ一本も決まってなくて、クランチロールだけ決まってたかな。調子乗って世界がーとか書いたら本当になって」
石「飛行機のタラップをな」
熊「言ってみるもんですね。なんか、言っときたいことある?」
最後の曲、Good Morning [New] World!。
「おはよう世界 Good Morning NEW WORLD!!」って熊谷さんの声が響いて、国内でも世界でも、これからも続いていくBURNOUT SYNDROMESの未来を思った。
いままでは、アルバムを作ることで新しい試みをして、それをどうライブに落とし込んでいくかって試行錯誤しながらツアーを回って、バンドとしてステップアップしていく流れが本流だった気がしてるんだけど、でも今回は、もうすでにそこに進化してカッコよくなったこれまで世界を回って成長した軌跡が詰め込まれてるんだなと思った。この数年間、世界を回り、様々なアーティストとのコラボもして、仲間や武器を増やしまた一層カッコよくなったBURNOUT SYNDROMES。それがこの大阪公演にも存分に反映されていて、だとしたら、リリース後の東京公演はどうなっちゃうの?その先は??って想像を膨らませたら、そんなのもう、未来に期待しかない。
Good Morning [New] WORLD TOUR 2024のセミファイナルである大阪公演は、世界を経験したBURNOUT SYNDROMESのお披露目とニューアルバムへの期待を存分に高めてくれた、ある意味で節目みたいなライブだったなあと私は思いました。そしてこれからも変化して進化していくから見逃してくれるなよ、と言われているようで、過去から現在そして未来まで、まるっと愛おしく思えた日でした。
今日もわたしは、BURNOUT SYNDROMESのことが大好きです。
追伸。
最後の写真撮影で、こっち俺の方、って認識してる石川さん非常に愛おしい。そして、端っこのひとどうしよう、詰める…にしても無理があるしどうしよう…ってなってるところ3方向3枚撮りましょう!ってスパって提案した廣瀬さん、なんてできる男!!ってなりました。
SE.Paradise or Birds
01.Good Morning World!
02.Bottle Ship Boys
03.ヒカリアレ
04.魔王
05.KUNOICHI
06.I Don't Wanna Die in the Paradise
07.アタシインソムニア
08.BABEL
09.The WORLD is Mine
10.吾輩は猫である
11.PHOENIX
12.Melodic Surfers
13.君をアンインストールできたなら
14.FLY HIGH!!
15.Amateras
en1.邪教・拝金教(の合間にグッズ紹介)
en2.Good Morning [New] World!