注文の多い料理店-☆☆☆- 大阪編

BURNOUT SYNDROMES

東名阪アコースティックツアー

注文の多い料理店-☆☆☆-」

2022.05.06(金) @梅田 CLUB QUATTRO

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ねえねえ!聞いた?BURNOUT SYNDROMESが、遂に地元大阪に料理店を出店するんだって!なんて。前回、梅田CLUB QUATTROを訪れたときには、たしか泉の広場にはまだ泉の名残があったような気がするけど、いまはすっかりシルバニアの森に姿を変えていた。周囲のお店も変わっていて、5年近くも経ってたらそりゃあ変わるか、なんて時の流れを感じながら、ライブハウスの内装は全く記憶にないけど、その立地だけははっきり覚えている、そんな場所。フロアに足を踏み入れて、あー、こんな感じだった、って呼び起こされる記憶。両サイドにあるスクリーンは、ステージを同時には見られないから、草食動物にならないと視野が足りないやつ。フロアの空気が呼び起こしたのは、夢のBIG CATでのワンマンライブ解禁の瞬間に会場を埋めたヨロコビノ悲鳴。あれは本当に、大歓喜だった。そんな懐かしさと今日のライブへの期待でそわそわと落ち着かないなか、フロアの明かりが消えた。モニターに投影される映像。月明かりに照らされる西洋館、その怪しさを主張するように羽音と共に飛び立つ蝙蝠。にゃーとひと鳴き聞こえた声に、周囲を見渡すように映像の視点が動く。館の外には捉えることができなかったその声の主は、目の前に聳え立つ建物の窓から、私たちを招き入れるように姿を現した。誘われるようにゆっくりと赤茶色の扉を開けた。


このレストランのシェフであるBURNOUT SYNDROMESの3人が、代わる代わる説明をしてくれる、フルコースのメニュー、注意事項。


(廣)その1.

大きな声を出す必要はございません

(石)その2.

シェフからの注文にはできる限り応えてあげてください

(熊)その3.

どんな時も楽しむ気持ちを忘れてはいけません

守れる方はどなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません。3人のシェフが皆さまのご来店を心待ちにしております


「「「ようこそ、注文の多い料理店へ」」」


オープニング映像の終了と共に、白を基調にした衣装を身に纏った3人のシェフが登場した。ハンドマイクの熊谷さんと石川さん、上手にスネアドラムを腰に構えた廣瀬さん。TOKYOのときよりも物理的には遠くさえある距離を近いと感じる、箱の規模と距離感。決して小さくはないライブハウスのステージをそれでも小さいと感じるのは、そこに立つ3人が大きく見えるからなのかとか、記憶のなかのこの会場と重ねて不思議な感覚になった。

白いズボンの裾から覗く真っ赤な靴下がおしゃれさん。熊谷さんの衣装、ボタンはわざと外してるのかなって、そんな些細なことが気になってました。


さあまずは、来店者をもてなす本日限りのアミューズ。本ツアー仕立てに歌詞を調味された、星の王子さま。ハンドマイクで高らかに歌い上げる熊谷さんと、歌声を重ねる石川さん。廣瀬さんが刻む心地よいスネアビート。


耳で味わうフルコース、「前菜は、3奏のミルフィーユです。身体を揺らしたり、手拍子をしたり、自由にお楽しみください」熊谷さんの声での料理説明とともに、メンバーがそれぞれの椅子に座る。アコースティックギターエレキベース、ドラムセットではじまった、世界を回せ。熊谷さんのフェイクがのりのりで織り交ぜられていて頬が緩む。「延期延期のトラブルも 愛しいあなたと笑い飛ばして」って変えられた歌詞。サビで回すタオルの代わりに、人差し指くるくるしてるフロアの光景見て、ああそうだった、アコースティックのときはタオルじゃなくて手首回すんだったなって、ヴィレバンでのインストアライブを思い出して懐かしくなった。

間奏では、フロアに緩やかなクラップを促して、「そのクラップの上で歌うよ」って、熊谷さんと大裕さんとのコール&レスポンス。聴いているだけで幸せ空間。


セットはそのまま、和楽器を添えた、花一匁。サビ前に加わってるお箏のようなグリスの音色が、サビへの気持ちを華やかに雅に盛り上げてくれるの素敵。和楽器のイメージで雅な印象が強いけど、低音がしっかりノリを作っていて、なんともカッコいい、アコースティックアレンジ。


2部では「拳あがりますか!」って熊谷さんの声に素直に拳を掲げた瞬間、「爪痕が」って歌われて、すっかり花一匁だと決めてかかっていたところにがつんと痛快な衝撃を受けた。確かにいま私の横っ腹は掲げた拳のおかげでがら空きだった。もしかしたら、殴ってきたのは素直に掲げた自らの拳かもしれないとかよくわからないことを考え出したら、もう、何かの術中に見事にハマったようでおかしくなっちゃう。だってねえ、回替わり以外を変えてくるなんて、予想してないじゃん、ねえ。カッコよかった。ジャンプジャンプするフロアの景色も心を跳ねさせるし、バンド編成に比べてこんなにもしっかりはっきり聞こえる合いの手のクラップを改めて体感して、爽快だった。


少しの暗転と、セットチェンジに廣瀬さんがカホンに跨がって、石川さんはアコースティックベースへ持ち替えて、熊谷さんはクラシックギター。きっとここが、緩急の急から、緩への分岐点。前菜の3品目は、夕闇通り探検隊

「以上が 僕がミュージシャンを目指す動機になります」

ミュージシャンと変えて歌われたことで、この歌の主人公が明確に熊谷さんの姿になって現れた。フィクションだと思ってた物語が、実は目の前にいる人物の軌跡だったなんて。はじめて明星を聴き終わったときの、なにもかもがひっくり返ったような衝撃と似てたと思う。


石「いやーようやく出店できましたね。大阪支部!あれ?支部?大阪が本店?」

熊「いやちょっと、そこはっきりさせとこ。あかんで。ここ間違えると一気に全員がアンチになる可能性があるから」

石「みんな背中向けちゃうかもしれへん」

廣「今は大阪が本店だよ」

スパッと告げた廣瀬さんの言葉が場を締めたって感じだった。思わず3人揃って立ち上がるほどの重要な話題でした。

石「ちょっとね、いろいろ都合で、渋谷店の方が先にオープンしたりとかしましたけどね。大阪が今日であることにとても意味があります。我々バーンアウトシンドロームズ、17歳、初ライブは!大阪でございます!渋谷のときはまだなってませんでしたからね。ひと回り…まではまだはやいけど、ちょっと成長した僕らです!」

 

「そろそろ鳴る気がするなー」と匂わせる石川さんによって、あのオーダーが軽やかなベルの音と共に告げられた。石川さん作のカッコいいジングルと共に、このお店の目玉料理、無茶振りの激辛スープ。

2部では、フリップ出すよりも手拍子煽ることに一生懸命になって熊谷さんに注意される石川さん、可愛かったです。「せっかく頑張って作ったからノってもらいたくて」って、はい、可愛い。


1部の無茶振りオーダーは、〈曲のどこかでヘリウムガス吸って〉。フリップが出た瞬間、脳内をいろんな想像と心配と欲望がぐるぐるした。声が高くなっても支障のない、むしろ楽しい曲ってなんだ…熊谷さんの変な声はそりゃあ聴きたい気持ちもあるけど、その後に影響しない?え?え?ってそわそわしている間に「僕がいきます!」って元気よく挙手した石川さん。「熊谷くんは声が戻らなかったら大変。俺なら大丈夫」って、自己犠牲の精神。石川さんだって戻らなかったら同じように困るけど、まあ、消去法でそうなるしかないのか、そうかそうだよね、ってどうにか納得した。でも、一度動揺した心はなかなかすぐには落ち着かないし、コミカルに一瞬で過ぎ去っていった、吾輩は猫である。選曲も動揺を誘った原因の一つだったと思う。じゃあ、最後の曲は何をするんですか。

本当にきっと、本日限りのヘリウムガスを吸った状態での、特別ラップ。「あー、踏んじゃった 韻踏んじゃった」は、童謡のねこふんじゃったとも掛かっていて、この表現やられたわーだと思う。石川さんの手腕。このラップ詞にしても、激辛スープのジングルにしても、今回限りなのはとても惜しいなって思うから、どこかで歌詞が公開されることと、ジングルが投稿されることを切実に願ってます、石川さん。

熊谷さんが曲のメロディに合わせて「また吸うんかい」みたいに歌いツッコみしてたのなんともコミカルで、楽しかったし、高い声で「にゃにゃにゃにゃ」してる石川さんは正直とてもとてもとても可愛かったです。それは認めます。

「元素番号2番ヘリウムに大きな拍手をー」って熊谷さん。ヘリウムラップに、じゃなくて、ヘリウム自体への感謝で締める、そんな終わり。

その他の無茶振りスパイス紹介として、東京1部で披露した3人でハンドマイクで歌ったOceanの裏話を石川さんが語った。「廣瀬くん恥ずかしがり屋やから最初は『僕歌えないよー石川くん決めてよー』って言ってたんで、歌割り僕が決めたんですよ。いざ持ってったら、『ここも歌いたい』『ちょっとここ石川くんは黙ってて』って廣瀬のパートがどんどん増えていく。なら最初っから自分で決めとけや!(笑)」話しながら石川さんや熊谷さんがした廣瀬さんのモノマネが、絶妙にほわほわきゃぴきゃぴした身振り手振りと喋り方で、やっぱり廣瀬さんってそんなイメージだよね、って得も言われぬ感覚になりました。演奏中の鋭さとのギャップが大きい。「やるからにはちゃんとやりたい」って反論のような廣瀬さんの主張には、BURNOUT SYNDROMESって三者三様に凝り性だよねって微笑ましかったです。そうしてたくさん歌いたいところを増やしていったけど「ここ息継ぎできないから」って返却する箇所もあったらしい、ささやかな制作秘話。そういうお話とても好き。

その後、大量のフリップのなかから取り出したのは〈廣瀬さんのグッズ紹介(高速詠唱)〉。さらっと「BGMは俺たちで弾こうぜ」って石川さんが促して、ポップでノスタルジーでちょっとお金の匂いのする曲を奏でながらの、グッズ紹介。もはや手慣れたものでした。早口でもさらっと噛まずに、最短時間のグッズ紹介。噛まずに言えたから、1部でやり納めたんだと思う。終わりに熊谷さんが、「新ドラえもんにもこの曲は使われてるんですかね。わさび世代は知らんかもしれん」って、ふと疑問を口にして、世代間ギャップに震えた、大山のぶ代世代の私。「スネちゃまのテーマですよ」って言い方は、好きのつぼに入ってます。熊ちゃんボイスで、スネちゃま、いただきました。


2部のスパイスは、〈廣瀬さんが昔使っていたというガラクタドラムを再現してください〉。バーンアウト界隈で脈々と語り継がれる、ガラクタドラムの存在。石川さんの後ろに1部のときから置いてあったバックドロップを退かすと現れた創意工夫の塊のようなドラムセット。中学生の彼らが使っていた、通称、ガラクタドラム、その再現。ひとつひとつ実際に音色を聞きながら、本物のドラムと聴き比べる品評会。意外と再現度の高い、段ボールバスドラ。「意外といける」って押し切ろうとする石川さんと「これはだいぶ音違うで」って渋めの反応の熊谷さんと「口で言うとチッチッって音だから一緒」って言う廣瀬さんとで意見が割れる、鍋蓋ハイハット。バケツスネアの鈍い音も同様に、「意外と意外と(笑)」って暗示をかけてくる石川さんと「タンタンだから同じ」って至極真面目な廣瀬さんの主張に「そんなん口で何て言うかやん(笑)」ってツッコむ熊谷さん。音の高低を奏でるタムたちは大体段ボールと雑誌。ライブハウスやスタジオからの頂き物の割れシンバル、石川さんが「弦のないギター」とか「弦が錆びたギター」に例えてたけど、流石にそれは過小評価なのではって思った。どうなんだろう。それぞれの音色に反応するフロアの感嘆の拍手や思わず漏れる笑い声。

そんなガラクタドラムを使って演奏する曲は、PIANOTUNE。「昔からずーっとやってる曲」だと廣瀬さんが紹介した。PIANOTUNE、知ってはいるし聴いたことももちろんあるけれど、ヒカリアレカップリングは、リミックス版なんだよね。その当時の音は私にはどうやっても未知の領域で、でも、どう考えたってエモすぎる選曲。シンバルの音だけ飛び抜けて響くなって思うなどしました。

 

「最初のアルバムに収録された曲は、まさにこの音だった」とか、本当は目覚まし時計のベルも使っていたとか、PIANOTUNEのライドシンバルのリズムが特徴的なのは、そのベルを使っているからだとか、当時は雑誌のジャンプも叩いていたけど炎上したくないから今回は再現しなかったって冗談とか、自分たちで作ったアルバムを学校で売って回ってたこと、しかも1000枚くらいの量だったとか、売った友だちの親御さんからクレームがきて、先生に呼び出され怒られた話とか、そんな貴重な彼らの歴史。


他にもこんな無茶振りありましたって紹介で〈石川さん、ヘッドセットじゃなくてスタンドマイクでコーラスやってください〉

石「出番前、あれ?!俺ヘッドセット付けてへん?!って2部とも焦りました。本番中もどこ向いててもコーラスできる気でいんのよね。だからこの無茶振りにはもう応えてるようなもんです!」

熊「結構辛辣なやつとかもありましたよね」

石「ああ、〈石川さん、ラップしてください〉ってやつとか」

熊「この人あんだけラップしてるのに。お前のはラップとは認めねえ、って静岡(?)のガチラッパーからの無茶振りとかね」

 

1部では、たくさんインストアライブしてきたってお話からの、お魚料理に、再会のアクアパッツァ

熊「どこでやりましたっけ」

石「前代未聞のスタバよ!」

熊「ジャンプショップ でもやりましたね」

石「スタバの下の階な(笑)」

熊「なんでそんなHEPで(笑)地元なので、たくさんの力を借りましたね」


2部では、石川さんが語る、大阪のインストアライブの魅力。「インストアライブが好きなんですよね。大阪でジャンプショップでやったのが特に。楽しんでほしいから、自分の家からテレビのモニター持ち込んでん。大阪の人は、『ええやんええやん』って感じで見てくれるんですけど、大阪のええやんええやんはもう、地方行ったら大爆笑ですからね」って言葉に、「大阪は咲かないのよ、なかなか、笑いの花。大阪で4分5分咲きはもう、地方では満開よ」って添える熊谷さん。そんな大阪で鍛えられたから、僕らのいまがあるんだって、地元愛を詰め込んだMC。


「この曲ができたのも大阪でした。アニメのタイアップの曲が全然できねぇ、って大阪城公園を散歩していたときに、ふと降りてきてくれた曲」「地元大阪に愛を込めて」って、当時のままのアレンジで届けられた、FLY HIGH!!。熊谷さんの「飛べ!」って第一声と一緒に、ふわりと舞い上がる蝶々の幻覚が見えた気がした。


「〇〇のゲーセンがモデルです」って実際の地名で曲振りされた、ハイスコアガール。大阪の地名に明るくなりたい。知らない単語をそのまま記憶するのって難しい。台詞箇所、熊谷さんを照らす青×緑の照明から、石川さんの呪文のときはオレンジ×紫に、パキッと切り替わるそのライティングがとてもカッコよかった。「ハイスコアガールはほとんど廣瀬くんがモデル。これはじめて言うんですけど」って、裏話。


「大阪が僕らを育てた。大阪の楽しませたい、笑わせたい、泣かせたい精神がライブに影響している。最初にも言ってたと思うんですけど、『どんな状況でも楽しむことを忘れてはいけません』あれは確か僕が読んでるんですけど、それを聞いて、よし!楽しむぞ!って意気込んでいます」

「どんな状況でも、1時間になろうが、楽しませてくれるんでしょ?って期待に応えたくて、考えてきました」って感じのことを言っていた1部。


2部では、昔に比べて丸くなったってお話。「丸くなると人生うまく転がり出すことがわかったから」って表現の上手な熊谷さんに「まだ尖ってるとこあるよ」ってしみじみと告げる廣瀬さんへ、まだまだ丸くなっていくと意気込みで返答。でも結局、熊谷さんの芯の部分は大阪スピリットでできてる、っていうお話。

石「東京で探偵ナイトスクープの話題出したんですよ。しーんやで。金曜の夜なにすんの?」

熊「僕の芯が大阪だって話はどこいったんですか?思いましたよね?」

石「あの、卒業式の話していい?やめとく?」

熊「…別にいいけど」

石川さんが語り出したのは、伝説のエクソシストのお話。卒業式ってワードで既にもう、ちょっとニヤついちゃう。

石「僕の中学の卒業式ね、一発芸するんですよ。で、みんな恥ずかしいから複数人でやったりとかするんですけど、熊谷くんはひとりで、最終的にはふたりなんかな。でも、ひとりで袖から普通に歩いて出てきて、もう一人が反対の袖から出てきて、バンバンバン!って、銃を打つ仕草をして、そしたら熊谷くんは後ろに倒れるわけですよ。あれ、背中付かんようにするやつ」

熊「ブリッジねブリッジ」

石「そうそれ!ほんでそのまま動き出すの、あれまじ怖かった。大爆笑。どっかんどっかんよ。それ見ていいなーって思いました」

熊「エクソシストですね」

石「ほんま怖かったわー」

熊「その間校長が証書渡したくてずっと待ってる。そんでエクソシストのまま階段降りて戻る」

楽しい楽しい、熊谷伝説。時折本当に、予想外すぎるエピソードで心臓を撃ち抜いてくるとこ、沼が深い。


続いては、お肉料理。加工も調理も必要ない、素材そのまま生肉、なのに思い出のグリル。「いらない!」って言いながら足元のエフェクターをカチャり。熊谷さんの唐突のその宣言は、ちょっと駄々っ子みたいで可愛かったです。「エレクトロニックなんて使わない!」って、生音で、生声で、まるっとワンコーラス、熊谷さんの歌声と紡ぐギターの音色だけが空間に沁みていく、こどものじかん。2番からは、ドラムもベースも迎えて。母親から注がれる無償の愛情は、この日は彼らの地元である大阪のホーム感と溶け合って同化した。


眩く優しくステージもフロアも照らし出す照明、会場全体を包み込むように伸びる熊谷さんの歌声、重ねる石川さんのコーラスが、さらにさらに彼らの想いを膨らませていく。受け取った愛に応えるように続いた、白線渡り。地元大阪への感謝が溢れんばかりに込められていた。


熊「エクソシストの人だって思われながら歌うのキツかったです。君は今後も大阪でライブするたびに、過去の恥ずかしい出来事を暴露していくつもりか」

真っ直ぐ石川さんに向き直って、真面目な説教モードの熊谷さん

石「熊谷かって、俺の彼女のことずっと言うやん」

どうやらお互い様らしい

熊「しんどいで」

石「俺らがしんどいな」


「楽しい時間はあっという間で、はやいものでラストオーダーの時間となりました」って熊谷さんの締めに入る言葉に、「ラストオーダー?コース料理じゃなかったん?」って挟む石川さん、1部か2部かももはや曖昧なやりとり。フロアの拍手喝采に、「そのままそのままそのまま!そのクラップが、最高級食材なんですね。スタジオや家で作ってるときには得られない食材なんです。今日は漁獲高高いのでそのままでいきますよ!」って、デザートに最後のお楽しみ。吾輩は猫であるはもうやったから、何やるんだろうって想像を巡らせた1部は、君のためのMusic。聴けたの嬉しい。


「あなたの手拍子が、あなたたちの手拍子がいつだって僕たちを前に向かせる」って、2部では、吾輩は猫である。「君のクラップの上 今は此処が楽園である」だったり、「観客でもありメンバーでもある そんな君との関係に 名前は要らにゃい🐾」なんて、初日にはなかった歌詞変え。


そうして、あっという間に、でも吃驚するくらい満足度の高い凝縮された幸せな時間が、終わりを迎える。最後にまた、料理店仕様の星の王子さま

どうだった 我がレストランは?

堪能した?

それは何より

君が笑ってくれたら 開いた甲斐があったよ

心が乾くとき 音楽と愛に飢えたとき

気兼ねなくおいでよ いつでも待ってるから

鳴らせ 鳴らせ お腹をぐうぐうと鳴らせよ

響かせ

いつだってこの場所で、彼らが待っているんだから、それだけできっと、未来は明るい。